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ちょっと、otonaの悩み。
ちょっと、otonaの悩み。

朝起きると枕に髪の毛がついていたり、髪をスタイリングするときにブラシに髪が付いている……。気になる抜け毛には、さまざまな原因がありますが、そのなかのひとつとして睡眠不足も考えられます。今回は、睡眠コンサルタントとして活躍している友野なお先生に、睡眠のメカニズムや睡眠と髪の毛の関係についてお伺いしました。

  • そもそも睡眠って? わたしたちが毎日とっている睡眠には、「レム睡眠」「ノンレム睡眠」の2種類があります。ノンレム睡眠は深い睡眠です。ノンレム睡眠の深さは1から4の4段階に分かれており、数字が大きくなればなるほど深くなります。眠りはじめの3時間ほどで、3から4の深い睡眠が現れます。ノンレム睡眠中は、脳も身体も休んでいる状態。このとき体内では、“天然の美容液”ともいわれる「成長ホルモン」が多く分泌されます。


    反対に、浅い眠りのことをレム睡眠といいます。全身の筋肉がゆるんで、筋肉の疲労回復がおこなわれます。ノンレム睡眠のあとレム睡眠になり、朝にかけて交互に繰り返していきます。


    ここで注意したいのがレム睡眠とノンレム睡眠の周期。多くの人がレム睡眠とノンレム睡眠が単調に90分間隔で訪れると思っています。そのため、90分単位で睡眠を取るべきだとまことしやかに言われています。…が、実はこれは都市伝説なんです。眠りはじめの3時間で深い睡眠が訪れ、そこからレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返し、朝が近づくに連れて浅いレム睡眠の割合が増えていきます。確かにレム睡眠とノンレム睡眠の周期は約90分ではありますが、80分の人もいれば、100分を超える人もいます。90分という数字自体に科学的な根拠はありません。なにより、朝になるにつれて、レム睡眠の割合が多くなり、自然に目覚めやすくなるので、「90分周期」ということは気にしなくていいのです。

  • 睡眠のメリット 睡眠には、単に身体を休ませるだけにとどまらず、身体的、精神的、脳科学的に多くのメリットがあるといわれています。


    睡眠によって、身体の免疫力・自然治癒力が上がります。また、美容面では美肌効果、ダイエット効果、アンチエイジング(年齢に相応のQOL=Quality of Lifeを保つこと)が期待されます。ダイエットに関しては、睡眠時に分泌される成長ホルモンが内臓脂肪を分解してくれるだけでなく、食欲をコントロールするホルモン(グレリンやレプチン)のバランスが整い、食べ過ぎを防止できます。さらに、睡眠によって学力や仕事のパフォーマンスが向上するということが明らかになっています。レム睡眠中には、記憶の整理整頓、固定がおこなわれます。日中に見聞きしたものや、きちんと覚えておきたいことが睡眠中に定着するのです。

  • 国内外の実験・調査では、睡眠をきちんととっている人のほうが


    • ・成績がよい
    • ・生産性が高い
    • ・収入が高い
    • ・肌トラブルが少ない
    • ・抜け毛の悩みが少ない

    といった結果が報告されています。十分な睡眠はメリットだらけであることが、科学的にも証明されているのです。


    確かに、一晩寝なかったから死んでしまう、ということはありません。しかし睡眠不足はじわじわと体をむしばんでいく、「サイレントキラー」とも呼ばれています。睡眠不足が続くことで、脳の働きが鈍ったり、さらには生活習慣病の罹患(りかん)率が上がることも報告されています。

    ※罹患(りかん)とは…病気にかかること

  • 睡眠不足と自律神経の関係とは?

    睡眠不足を抱えている人の背景にある大きな要因のひとつは自律神経の乱れ。


    自律神経は、人間の生命活動をコントロールするあらゆる器官の”操縦士”のような役割を果たしています。自律神経には「交感神経」「副交感神経」の2種類があります。交感神経は“昼の神経”。交感神経が優位になると、心拍数や呼吸数が増え、血圧が高い状態になります。興奮状態になりパフォーマンスが向上します。一方、副交感神経は“夜の神経”。交感神経とは真逆で、心拍数、呼吸数が減り、血圧が下がります。


    交感神経と副交感神経はシーソーのような関係で、一方が高まれば、もう一方が低くなります。このバランスが崩れると「自律神経が乱れている」状態になります。自律神経の乱れは、冷えや生理不順、疲れやすいなど、さまざまな不定愁訴につながります。現代人は自律神経が乱れている人が非常に多く、交感神経が優位になりがちです。そのため、本来副交感神経が優位になるはずの睡眠時にも、交感神経が優位のままになり、休むスイッチが入りにくいのです。この背景には、24時間社会で夜中でもお店が開いている、デジタル社会によって時間に関係なく連絡を取れてしまう、ストレス社会の影響などがあります。さらに、冬から春にかけての寒暖差も、物理的なストレスとして自律神経を乱す原因のひとつになります。自律神経が乱れていると、眠りが浅くなり、十分な休息、身体の修復がおこなわれにくくなるのです。

  • 抜け毛と睡眠 睡眠は、髪の毛のダメージを修復する働きももっています。これは「成長ホルモン」によるもの。成長ホルモンは、肌や筋肉、爪、髪の修復・メンテナンスをする“天然の美容液”ともいえるホルモンです。その70%が睡眠中に分泌されています。なかでも、眠りはじめの3時間、深い睡眠の際に多く分泌されます。いくら睡眠時間を確保しても、眠りの質が低い(=浅い眠りが続く)場合は、成長ホルモンも出にくくなってしまいます。


    成長ホルモンが多く分泌される「ゴールデンタイム」という言葉を耳にしたことのある方も多いかもしれません。一般的に、22時から翌2時までがゴールデンタイムと言われていますが、実はこれも都市伝説。これは、現代のように24時間社会になる前、一般的に22時に就寝する人が多かった時代に、眠りはじめの3時間がだいたい22時から翌2時だったことから言われるようになった時間に過ぎません。現代社会における睡眠のコアタイムは0時から6時。ここにかぶせて6~8時間の睡眠を取れれば、きちんと身体の修復がおこなわれます。





    いかがでしたか? 睡眠には計り知れないメリットがあるということ、また、「90分間隔」「ゴールデンタイム」といった都市伝説があるということも驚きでした。睡眠のコアタイムが0時から6時なら、気軽に実践できそう。しっかりといい睡眠をとって身体を修復し、美髪だけでなく、身体も心も健康になりたいものです。


  • 株式会社SEA Trinity代表取締役
    睡眠コンサルタント/
    産業心理カウンセラー友野なお

  • 順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科にて睡眠を研究し、修士号取得。自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学んだのち、睡眠の専門家として全国にリバウンドしない快眠メソッドを伝授。著書に「やすみかたの教科書」(主婦の友社)など多数。書籍は韓国・台湾・中国全土でも翻訳され発売中。

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